戸畑ちゃんぽんとは

ちゃんぽんには、『「さまざまな物を混ぜること、または混ぜたもの」を意味する言葉であり、そのような料理の名称』という意味があります。

多くの方がイメージされるであろう、白い豚骨ベースのスープに、具材がたっぷり入った太麺の中華そばは、数あるちゃんぽんの中の一つである「長崎ちゃんぽん」の特徴に過ぎません。

日本の郷土料理であるちゃんぽんは10種類以上あり、長崎ちゃんぽんだけでなく、平皿に盛った米飯の上に野菜炒めの卵とじを載せた米料理である沖縄ちゃんぽんや、鰹や昆布出汁ベースのスープで食べる彦根ちゃんぽん等、様々な種類がございます。

戸畑ちゃんぽんは、その中でも福岡県北九州市戸畑区で食べられる細めの蒸し麺を使ったちゃんぽんです。蒸し麺はゆで麺と違い、原材料の栄養素を壊さないことから風味を生かした味を再現できます。また表面の粘り気が少なくさらっとした舌触りが特徴なため、仕事で疲れた地元の製鉄マンたちに愛されてきました。さらに保存性も高いことから、遠洋漁業に出ていく人たちにも愛された、というエピソードも。昔から頑張る人たちを支えてきた味でもあります。

高度経済成長期でにぎわう中、大企業に勤めるサラリーマンや、船乗り、外国人など、バックグラウンド問わず、ありとあらゆる人々に愛された郷土料理をぜひお召し上がりください。